魂は重力に引き寄せられる

惑星スノウから、G9リガー級軽貨物船で2時間ほどにある外縁部の惑星カミータ。

年に数回、トレーニングとリフレッシュを兼ねて通っているジムがある。

そのジムでは、ボルダリングができる。

ボルダリングとは、最低限の道具と自分の体だけを使って岩や壁などを登る「フリークライミング」の一形態で、ロープを使わずに登れる高さのものを登ることである。

課題のグレードは、わりと辛口。

このジムでは、どの課題にも「核心」や「ゾーン」と呼ばれる「山場」のようなものが用意されており、難易度が「やさしめ」の設定でも、油断はできない。

ボルダリング自体が久しぶりということもあり、5級からこなしていくが、要所要所で集中しないと完登できない設定であった。

4級も完投できない課題や苦手なタイプものもは登りきれなかった。

強傾斜、緩い傾斜、前傾壁、などと4級グレードを中心に、ジム全体を満遍なく登ってきた。

帰りの運転はクタクタだった。

自宅に着いて疲労感を感じ、翌朝は全身がバキバキに筋肉痛になっていたほどだった。

明日は新年祭だ。

心地よい疲労感を感じながら、全身の柔軟体操をして、穏やかな1日を過ごした。

ふわふわと、ファンタジーを思い描いている時間は楽しい。

だが、夢中になりすぎるととんでもないスペースにいることがある。

ボクたちは「こうだったらいいのにな」と希望を求めて生きている。

しかしながら、魂が重力にひかれていることを忘れてはならない。

惑星スノウに降り立って

激しい吹雪の中、街を歩いていた。

横から吹き付けるというよりも、下から噴き上がってくるような吹雪である。

積もった雪が風によって再び吹き上がり、ボクの身体を足元から、下から上へと凍り付かせてくるようだった。

防寒具の隙間を埋めるようにぎゅっと身を固くして、融雪の効いた道を選んで、歩いていた。

「スマホ」という通信端末を使って、惑星スノウの情報を得ている。

社会情勢、報道、気象情報、がメインで、あとは生きていくのには必要のない情報が下水道のように垂れ流されている。

スクロールしてもこんな情報ばかりで飽き飽きしている。

なにも下水道を否定しているわけではない。

下水道は衛生環境を保つ上では必要な機構である。

ただ、自分から積極的に見にいく物でもないし、それは見えないところに流してほしい。

つまり何が言いたいのかというと、毎日見るような物ではない。

そんな情報なら見ても見なくても、同じだ。

流れていく時間を汚れた物が埋め尽くしていくだけ。

しかしながら、そんな下水道のような垂れ流しの情報を見ていて、気づいたことがある。

それは惑星スノウに限ったことではなく、この銀河全体に言えることなのかもしれない。

人類を代表するような「理性を持った生命体」は、なんらかの欠陥を持ちながらも、「社会という窓」を通して互いに関わりながら生きている。

惑星スノウのダーギン人にとっても同じことが言えると思えるのだが、特にダーギン人の男女には、価値観の「大きな違い」と「大きな分断」がある。

銀河全体、ことさらダーギン人は、男女は理解して協力して生きていけるという教育が幼い頃から浸透しており、スマホでもそんなことが「教育」「常識」「そうあるべきだ」と流れている。

だが、実際に彼らの活動を観察していると、そんなものは虚構に過ぎないのではと、銀河パトロール員のボクは思うのであった。

スマホを眺めていると、今日も政治家のキックバックという裏金の話題や、芸能人のセクハラ、不憫な事件、不条理が溢れ出て、うねり、止めどなく流れている。

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