みなさんお元気ですか?
私が10年間店舗を構えて自営業をしてきて感じたことやノウハウをご紹介させていただいております。自営業をされている方のなにかしらのヒントやアイデアになりましたら幸いでございます。
今回は「商品と作品のどちらを売るのか」について記載させていただきます。自営業をするにあたって、自分が
- 商品を売っているのか
- 作品を売っているのか
を区別して考えないと、マーケティングを間違えてしまうと思います。例えてみるならば「自分はどの山を登っているのか」を考えていくことに似ていると思います。
【山の頂上=ゴール】が違うので、登るルートや装備、体力、準備が違ってきます。

まずは言葉の意味や定義をしっかりと抑えておきましょう。
商品とは – – – 経済活動において生産・流通・交換される物財のこと
Wikipedia
作品とは – – – 人間によって作られたもので、特に、芸術としての意図を持って作られたもの
Wikipedia
マーケティングとは – – – 価値あるプロダクトを提供するための活動・仕組み
Wikipedia
商品と作品については、いろいろな見解がありますが、ボクの個人的な見解を記載させていただきますね。
誤解を恐れずにシンプルに書き表しますと
- 商品 – – – 利益が目的。利益が出れば良い。お金さえ払ってくれれば誰でも良い。
- 作品 – – – 表現が目的。気持ちや想いが優先。わかってくれる人に買ってもらいたい。
というふうに区別して考えてみてください。
この観点からどんな場面で違いが出てくるのかを書き出してみますね。

たとえば、ターゲットについていえば
- 商品 – – – 不特定多数。顔が見えない人に買ってもらう
- 作品 – – – 特定少数。顔が見える人に買ってもらう
というふうに考えることができます。
なので商品を売りたい場合と、作品を売りたい場合では、PRの仕方(広報、広告など)が全然違います。
- 商品を売りたい時 – – – 大勢の人たちの目につくもの(=テレビCM、雑誌、フリーペーパー、など)
- 作品を売りたい時 – – – 周りの友人や知人、友達の友達、知り合いの目につくもの(=SNS、ダイレクトメール、フライヤー、など)
つぎに、お客さんの気持ちになって考えてみましょう。
- 商品を買いたい人 – – – 安く、たくさん、お得に
- 作品を買いたい人 – – – 共感、つながり、想い

このように買いたい人の気持ちを考えると、広告の内容も変わってきますよね。
- 商品を買ってもらうための広告 – – – 割引、クーポン、ディスカウント、まとめ買い
- 作品を買ってもらうための広告 – – – ストーリー、込めた想い、上質なもの、こだわり
いかがでしょうか?
このように区別して考えると、なんだかスッキリして見えませんか?
商品や作品と書き出すと、「モノ」をイメージしがちですが、飲食店や美容院、リラクゼーション、などにも当てはまります。
ボクはこの区別になかなか気づけなくて、事業の方針や取り扱う商品、サービスなどに一貫性がなくて、傷づいたり、悲しい気持ちになったり、悩んだり、不安になったりしました。この気持ちは、実際に自営業を経験しないとわからないと思います。
いま自営業をされていらっしゃる方は、いまいちど、自分が取り扱っているモノやサービスが「商品」なのか「作品」なのかを見直してみてください。接客で苦しい気持ちになったり、売上がうまくいかない出ない時は、この区別ができているかどうか、確認なさってみてください。
これから自営業を始めようと思われている方は、頭の片隅にいれておいて、迷った時に思い出してみてください。
いかがでしたでしょうか?これからの時代、自営業はますます厳しくなってくるのではないかと思います。とくに少子高齢化やデジタル化が進んでいくので、個人事業主もアップデートをしていかないと、生き残っていけないのではないかと思います。
とくに個人事業主の場合は少人数で営業する場合が多いでしょうから、事業主やスタッフにかかる負担やリスクがとても大きいと思います。
ボクは個人事業主が街の魅力や地域を支えていると思います。もちろん、コンビニやチェーン店なども利用しますが、個性的で魅力的なお店がなくなってしまったら、生きる喜びも失ってしまうと思うんです。
お役立ちいただけましたら幸いでございます。